<741>「不明の道」

 どう考えたってあんた、訳分かんないよ、という態度を信用している。それも放棄を取るのでなく、その場での果てしない回転を取るあたり、私とそっくりではないか。とすれば、私は、私を、信用しているのだろうか。

 何かを信じていなければ、動かれない訳でもないし、何にも信じていないから、どうしようもない、ということもない。身体は、信用の上をゆく。次の一歩は、深刻な話し合いとは無関係だ。豊富と、貧弱があれば、その他の道をゆく。

 その歩みは、遠くを通るのではない。しかし、ひとつの音とて聞こえないかもしれない。それはただ、歩んでも、回っていても、ここがどこかが分からなくなるのと同じ。そう、普段はしまっていたところへ、輝きが躍り出るから。