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 広場の隅の隅のなんでもないところへ小さな渦を残してきた。一言一言を置いていく様は誰が見ても可愛かった。一心に巡ることで始まりと終わりを分からなくする。誰かの番などここでは考えられなかった。

 そこでいいのと訊かれる前も、後も、残された場所から動くことなく、ただ、あとをつけたばかりのところでも構わずに滑って消していった。企みの一切は用意されなかったが、用意されたとて、私は回転であると告げればそれで済むことだった。

 むやみやたらに明るく照る。ひのしたの輝き。巻き込んでわずかばかり音を立てると、周りの色と見比べていくらか微笑みまたかげるとも良い。それだけの話をいちどきにくれた。残してきて良かったと気がついたときに言う。