<778>

 えぐれを読め。えぐれを意識せよ。えぐれを意識すると、ただめくれていく一枚々々の私のことを思える。嬉しい匂い。過去にここまで見えてしまったことがあるのだろうか。無の構えでどこまでも吸い上げていこうとする響きを感ずる。お互いの腹の中より大きな音の流れる場所を知らない。

 いつも簡単にみずみずしい肉を隠してしまう延々の薄い輝き。ただ、止まるとは考えてもみないもの。対して、止まり、ズレていかざるをえないもの、ズレ続けるもの。あとはこのまま転がせばいい。どこで? 何のために甘味を確かめるのか分かってもいないところで。

 こぼれてゆく正当なら明らかに私が撫でよう。何故かボロボロなのだがつるんと覆えるだけ覆ってしまう。昔へ向かう、いや、こちら内部で、昔を死なせたままで持っている。これは目を持っていない。ゆえに方向もなく外へ出て新しくさわがしさと出合う。