<808>「行動の甘い香り、存在の汗」

 私には存在が速い。それはいつになく上機嫌で、小さな箱の中で鳴いている。

 身体に、なるほど激しく、私の名が迫っている。潤いながら揺れをなす。揺れはただ各々の行動を見つめていた。

 行動からは甘い香りがする。行動は爽やかな風を受けた。行動は不思議の底で涙を流していた。行動よ、私のなかにくるまれて小さな鐘となれ。

 傍らでくつろぐ。それは木のなかで、なおも流れ出す水、の夢を見ていること。傍らには溜め息。それは一連のなかに顔を出す。隙間かただの空間か。

 汗が続く。誰の目も裏切り、汗は、私の外へ出ても続く。こぼれていてのちひとかたまりであったことは、考えをほぐすのに役立つ。

 後、少しの時間と、ヤ、それはあってもなくても同じだという考えが、まわりまわって何事の開始にも役立つ。汗が、後から滑り出してくることを喜びたい。先に流れるのでは・・・それは困る。

 音のふるえであくびは一層キュートになる。息苦しさ、それはキュートを噛みしめる。キュートからは甘い香りがする。香りは行動を伴ってゆく。ほんと動くってキュート。場面々々で見かけなくてもごめんなさい。私は輪のなかにいるの。輪っかでもってひとしきり、溶け出した音を確かめていたのだ。それは存在で(鳴)なく行動・・・。