<817>「正午の染み」

 正午の染み。

 雑然と拡がる。

 今、私は交換する。

 局所的、それは水。

 

 正午の染み。

 すべらかに名のる。

 過去、私はことづける。

 感情的、それは水。

 

 奥の根の名前。限りなく何度も顕はれて、そこの大概の日と、優しく分かれてゆくことで。

  ジャガラガラガジャ

 気のついたものから音もない。呆然と立ち尽くす姿。祭りの興奮で淀む。淀むだ興奮を掬って、放つ。

 あたしがあたしを離れて走る姿。

 埋没した静かな笑み。

 疑いのないひと掴みの響きに、ひと払いのささやき。

 雨が降る。誰の目にも映らぬ。あたしをいたずらに熱のあげてゆく人。

 響きは、いできたるところの音の何かを忘れる。悔やむ人の声。たわんだ余白に指をつける、と、これは嬉しい。これからも嬉しい。

 あたしがあたしのなかを走る匂い。

 ゆくあてをぼやかして。

 緊張性の皮膚。

 皮膚はリズムよく水滴と別れる。

 とめどもなく、生彩に、輝きの色と(ト)なり続け、る。

 いくらかもの思わしい日差し。

 そのかげに、ひといきの隙間に、消えかかるかさなり・・・。