<861>「泥性意識」

 物動いてく物動いてく、分け目、私は空白の、あいだ、中間地点としての、語、をおそらく放る(ホッ・・・)。

 すべ、追う、心得た、昨日の語り。それから、無い、おそらく場(バ)・・・的ではない場(バ)のなかで、プチ、プチ、プチ、跳ね、話(ワ)、飛び、記憶からへ粒からへ、時に、大合唱の隅、から逃走するよゥ・・・。驚きがほんの少し遅れ、遅れ遅れつつ繋がり、今その扉の向こうは見えていない、ノ、風の静かさにいつしか乗っていた。軽やかさ、よし、緊張線の端(はし)にひょこ、ウン、ひょこ、ト、座っている跨っている。

 あたしを言語の隅に置きひりつかせるのはなにだ?(な、に、だ・・・)。

 あたしの問わいに泥的なつややかさで返すのはなにだ?

 中間の気持ちはどこへやらに迫っていき、軽やかさ(それが仕事なのだから)を微笑む。微笑みは全ての見えないものの基本となる。

 たくわえが身体(からだ)をこちらに向け、ホッと息をつく。

 「あたしの心象風景にさわやかな音が鳴っているとしたら、それはまたみずからの泥性を意識したからだと思う・・・」

 ト、言う、また、見つめるのは、あとの、観客意識のなか。確かと、は、言わない、ときめきの中間音声を拾おうとしてあらぬ方向へ、身体(からだ)全体でひらいてゆく。訳も分からずに涙が溢れ出してきた。動くものの無‐無おもし、私がほころばせえるものの姿、ト、回転体の静かな信頼、そのめまぐるしい・・・。からだが熱くなる。あいだはおそらくひとりを語っているのではなかった。隅から隅から疾走の音頭がにじみ出していた・・・。