<974>「夜の青色の息」

 うち、はなす

 夜気、あなたを覗く

 招ばわれ、はとする、はとする

 戸ゥの隙間、その香り

 うち出でて踏み出す、

 静謐な歩み、、

 青色の息、

 ・・・

 一台の車が、すみやかにゆく、

 音(おと)ばかりが膨らんでいる、、

 一度、考えを改めた、、

 わたしばかりか、あるいは、一切のひとみが、この、ただの静かな香りのなかにねじ込まれている、、

 ここは踏み上げ、ここはふしだら

 緊張した横顔のそばで、そっと目を覚ましている、

 見つめるひとはなにの穴であるのだろう、、

 色(イロ)は過ぎた、

 色(イロ)はこの場合、あまりにも過ぎていたから

 ねだっていた、わたしはねだっていた

 過去ひらいた眠りの息、

 あそび、ほの白く真っすぐな線を延々と描(えが)く

 あなたはたいら

 横っ飛びに飛び、

 おそらく町をうたう、、

 この静かな誘いの、

 紛れもなくそばにいて、ただうつらうつらとさはぎあげている、、