<982>「新しい呼吸が増える」

 そのかたち

 まともに放りいだされたという姿勢を守れ

 ただに勢いよくくだるその流れに、

 その姿勢のまま、そのまま揺らいでけ、

 揺らあごう、揺らがないでか

 あなたが静かに瞳の前に立つとき、、

 わたしがこの不案内な記憶を総動員し、あなたの丁寧な言葉の並びの前に立つとき、、

 あたらしい呼吸が増える、

 まだ濁るらしい、隅々にまで目を通して、なおもそこから、あらたな姿勢を支えるためにいでくるらしい、、

 この、なんのきなしに緩やかなひとマ

 たれも彼もさわやかに跳ねることを知る、、

 盛んになる勢いの、その名残りがいまや優しくくだって、また音(おと)のなかにわたしの表情を隠してゆく、、

 それで、いつもいつもひととおりの顔を、厚い厚い覆いのなかに包んで、

 わたしはただ音(おと)のならなくなったひとりのひとみたいな顔をする、、

 そこにいでて鮮やかに泳ぐ、

 一片の灰色のはね

 厳しく、鋭く、軽く

 たれかこの声の絡む先にあると願った、、

 その姿が

 わたしの思いそのままになりかわり、じねんにあらわれていた、