<993>「動物の新しい歩幅」

 今日(こんにち)がわの空(そら)、

 晴れま、そんなことがあったのかしら

 あったのかしら あったのかしらねえ・・・、 

 ただあたたかいわ、、

 わたしぼんやりふたつに分かれてゆくみたい、

 いえ、、

 もっともっと多い、

 数限りないその分かれ、その分かれかたの先に、

 新鮮な歌がある、、

 ひとが目を覆い、やめ、またひらく、ひぃらく、

 羽の名を借りて待て、、

 そしてただ穏やかに風に乗れたらいい、

 ただ花の色が映る、、

 全体を草いきれに塗ってしまう、、

 まどろみはまだそこにいる、、

 あなたの額(ひたい)のあたりで、しずかあに様子を窺いながら・・・、

 なぜよ なぜよゥ

 わたしはわたしよりはやい、、

 過去のわたしがちらちらと後ろを振り返ってるうち、、

 あしは必ず少し先を踏みしめている、、

 あァ、動物だァ、

 動物だから、どこへでもはやく、

 息は荒く、、

 佇まいは深く、、

 そしらぬ顔の先に、、

 ただもう湧き出すいのちのひとつめが始まっている・・・、