<1010>「なまぬるい半身のかげ」

 あれや あれや あれや、

 の陰に、、

 隠るとせ、よィ、ひろがらせ、

 待つ・・・

 しんと・・・(野、そう、ノ、べたり、とはりついたまま)

 夢幻の隙間、は、漏る(漏る・・・)

 やがて、、

 ひとつの、夜の意識、(それに)半身は染(そ)みて・・・

 半身はかげのなかにただゆらりといごいていって・・・

 さむしぃ、・・・と、おそらくは、鳥、ほゥとつぶやく、、

 ひとつの指で、かきまわしたあとに、ここはまたよそさまの夢、たあいもない夢幻の姿と知りつつ、また、いれ、かきまわしつつここにおる(おるおる・・・)

 ほゥ、、なまぬるい、したらえがたい香りのする・・・

 あれ、あれがただにはばたいているもののかげか(そこへ覗きにゆく)

 ム、ムム、ム、の意識の端(はた)から、辛うじてこぼる・・・、

 こぼれ、ほっ・・・、はた、はた、と、軽やかなり(鳴)

 また、地(ち)、のちの頼りなさへ、しらん、ふっ、、ふっ、、と、ちからを入れて進む、、流る。

 流ればや、あのあたりへ、、

 不思議に温度の立ち(い)昇ってくるあたりへ、

 さすれば呼気、に、ひたひたと近づいて、、

 ものはずっ・・・と浮き、そのなかへ、黒く黒くにじむ、、

 にじんだり、し、あのしつこいなまぬるさからまたこちらを、、小さく覗くのは・・・、