<1011>「ぼうぼうベラ、ぼう」

 ぼうぼうボウ ぼうべらぼう

 よあきにかっかと照るものやな

 まだ真黒で、音(おと)もないところに、

 まあこれはなんとかあかと照るものやなぁ・・・

 ものごつい、や、水、や、枯れてゆく草、やい、

 もうと もうと もうと もう

 やや、真赤、と、ヒノミ、橙、まっき、その呑むようなさわぎ、

 に、

 ひたりとつく、やい、

 巻き上げ(おゥ) しゃくり上げ(おゥ)

 どろどろに、無意識に、全くがおのが外に(おぉ・・・)

 塞がれていた空気、徐々に晴れ(徐々に晴れ・・・)

 まず跳ねる まず巡る まず無感情に温度を健やかにす、

 その上辺(じょうへん)で遊びまわる子ら、

 夢としかおもえない軽さのなかに居(イ)て、

 けらけら、けらけらと遊ぶ子ら・・・

 わが映ゆい、その温みにハを重ね・・・

 じねん、じねんに消えてゆく

 じねんに黒く、全く背後へ消えてゆく、、

 束の間の美麗、束の間の飛行、、

 もの思わぬその移行、、に

 またたき忘れ、無量にひろがる、、

 僅かに粉、僅かに白く軌跡、その場に香り、、

 ただいまの糸、溢る(溢るる・・・)

 ぼうとぼう、ぼうべらぼうの輝きに、、

 すっと、、わけのなく寄せられてゆく瞳のこと・・・