<1012>「月輪の匂い」

 あわい、、や、においに 誘い、

 総じて花、いや・・・

 総じて月輪(がちりん)、いや・・・、

 けむる日の出合い、、ぼゥとした夜(よ)の出合い、、

 に、、金色(こんじき)の帽子がひとつ(にゅうと)、

 ただからからとその、一本一本は風に紛る、

 たださらさらとした匂いがする・・・

 おぉ、、そんな、あたたかな色(イロ)にかくれて、、

 ひとりうち笑む 陽(ヒ)は真黒な背後であたたかくうずくまっている、、

 さて さて さて

 愛しさに息をかけましょうか・・・

 たれか、心地良い眠りのなかを借りて・・・

 さっとさわぎ、また胸のなかに漏り、出でてゆくことどもら、、

 消え去り また掬い、、

 またあらたにヒを繰って(食って)いる姿、、

 数えようもなく(眩しくて・・・)

 捉えようもなく(慌て過ぎていたのだろうか・・・)

 ただに欠けることのない(ただに欠けることのない)、

 そのてらいのない姿に、

 静かにひたいをつけていたいから、、(どうして)

 いくらか、いや、随分と泡立ってしまったようだ・・・

 まさかまたあらたに香るから、、

 わたしの肌全体で、触(ふ)れていかざるを得ないということよ、、

 あァあれ、

 いまだ呼気ひとつもしらぬ風に腕を絡ませてゆきたいのだろう・・・