<1017>「ひとつの産声が見えて」

 まろく、鮮やかに、あくまでもほどいていった先に、、

 ひとつの産声が見えて、、

 あらゆるもののなかで一際大きな揺らぎ、、

 それはまだなかにある、、

 たとえば突然立ち上がらざるを得ないひとつの瞬間に、、

 わたしが常日頃から考えているその色味から、あまりに離れ過ぎていて・・・

 静かに飛び上がらざるを得ない、

 また、たれかの自在に、、

 わたしが声を張り上げて、

 音調、

 その煙も豊かにまた登る、、

 触(ふ)るる 触(ふ)るる

 うち、さわぎがほこりぽく、白い視界、、ややくゆらし、

 そうか、、(そうだったんだ)

 ずっとこの歩みを聴いていたと感じるから、、

 そして、その感覚にたがわない、ただ一連の、、緩やかさだから、、

 心を染(そ)みて揺らぐ、

 まだひどくぼやけている背中に、、

 指という指をぐっと沈めて、、

 生きる・・・

 それは数々の濃さにもかかわらず、

 それは数々のひとりにもかかわらず・・・