<1033>「虚空を色香が過ぎる」

 ふうふうと過ぐ

 ふうふうとかれる、

 また新しい顔を披露して、

 魅了されたいだけ魅了されている、、

 また、乾いた笑いに、ひとつ、ふたつ、、

 潤うよう 潤うように、慎重に、色香を足してゆくと、

 さわぐ さわぐ

 たれかしら

 あなたのひたいのなかで潤うよう、

 ものの問はれる先にいつも水のさぅさと垂れてるよう、

 さあまた、

 今度は手のひら、

 扉のなかに幾多のかなしさ、

 それにほっと軽うなる気持ち、をいくらかおさめ、、

 またひとつはたはたとまたたき、

 虚空は色香に揺れる、、

 さわぎたい はしりたい・・・

 この戸をかきむしりまたにおィやかな流れに身を浸していたい、、

 とすると、、

 それも暮れのかた、

 当たり前にさっぱりとした気持ちと路地で、

 ただ優しく揺れるもののけわいに出っくわす、、

 さあさあどうしたものか、

 袖に混ざってしまいましょうか、

 いや、いくらもその残り香を噛んでしましょうか・・・