<1085>「手のことだけ騒ぐ」

 ややあって、明けた

 なにもたがえなかった、

 ひとまず聞いて

 さらにさらにスムーズになっていった

 身体(からだ)に従えばはやかった

 遠くまで溢れて、、

 ひとり椅子に座り受け止めている、、

 呼吸がしなくなる、

 おだやかな昼間だけになる、、

 時間がない 雲もない

 歩行は見つく さわぐ 声も巻く

 手のことは忘れている

 手のことを思い出している

 空間はいつまでも爽やかで

 長く 緩く

 いつも声をかけてみる、

 すると、あたしは振り向いている、、

 空間になんのひきずりもなくて良かった、

 わたしは流し、流して、また忘れている、

 手のことだけ時々思い出してみる、

 実はなにも話していない、

 水面もある

 ひとつだけ触れてみる、、

 笑む 静かになる 触れる 忘れる

 あたしはただの息をする、

 まだ時間のことは知らない