<1209>「時間が皮膚に垂れ」

 確かに含んでいる・・・。

 これは、まず、時間をかける。

 時間を遠くまで垂らし、

 たら、たらとかかる、、

 その皮膚の、

 なかで、

 私は、ハ、・・・と、僅かに回転する、

 一体どこから流れてきた、、

 あなたは一体どの時間から流れてきたんだ、

 どこから・・・、

 

 そうやって、丹念に彫り込んでいるところえ、

 時間や、記憶が、

 仕草仕方に見惚れながら流れてくる、

 この作業で、

 繰り返し、繰り返ししているうちに、

 輪郭が、

 墨の色が、、

 だんだんに濃くなるもので、

 私も、

 こんな見え方をしてくるのだと、ハ、ひとつも思っていないところ、

 

 どうやらこの静かな沸き立ちを誰にも見られていないらしい、

 見られたところで、どこの、何か、全然、分からないので、

 誰が、

 訪ねても、

 そこが静かな部屋であること以外に別に、

 振舞いがない、

 ただほうけた姿が がらんとそこに垂れているだけである。

 ただ意外な表情をして ものを口につけているだけである。

 

 お前さんが、

 そうしてテンポよく、

 空気のそばで ひとつの型を披露している、

 そのそばでほうけてみたい、

 全く目をカッピライテ、、 全く目を、

 ひとつの時間が思わずびりびりと音を立ててしまうような鋭さ、当たり前の真剣さで、

 それを剥いたら、

 どんなにか ここの微細なものの一切は歓んでいることだろう、

 (ソウゾウシタコトガアリマスカ・・・)

 

 順序よく、

 ものがいれかわりいれかわりし、

 ひとつのかたちを続いているところ、

 鐘の音(ね)のひろがりを振舞いにかえてみせたらきっとこうなっているし、

 最初に小さく含んでみせたところも、

 おそろしく長くかかり続けていることも、

 極度に興奮をあらはした一瞬が、そのままはりついてしまっただろうことも、

 まだ全てに響いている。

 しかしそれがどこからきこえてくるのか分からず、

 努めて遠くの方をうかがうだけである、