<1228>「内側の呼吸に涙を流す人」

 かたがわ、かたがわ、

 や、

 かたがわ、かたがわ、

 それに、日と日と日と、日を触れて、

 余す、余すところ、と、なく、

 じん、じん、と鳴り、伝えて、ひろく、ひろく、

 ただ小さく、ただ軽く、、

 まだ当たり前に片側を過ぎる、、

 緊張しているのと、日と、緊張しているのと、

 あァ、映る、映る、と、映る、

 それは映る(それはうつる)、

 また造作もない、

 造作もない音が聞こえているのと、

 道と、道と、迷いと、道と、

 震えが今現在に来ている、

 きこうるべきいわれもないのに、

 片側をしなやかに噛んで含んでゆくから、、

 

 それから、剥がれ、剥がされ、

 なにものも見えず、、

 とうの昔に揺れとともに出でていて、

 不思議と、思案と、思案と、ぼっと、

 よくよくきこえているのと、

 それはまじかるな調子で、

 なにもないものの軌跡を辿って、

 いったい空気の揺れだけを掴んで、

 投げて、呆れて、

 触れていて(触れていて・・・(触れていて・・・))、、

 もうあくまで、姿に、道に、

 踊り、見、踊り、見、見、見、、見、、、

 見、

 憂い、ただはじけている、、

 ただ乾いた香りのなかを順繰りに丁寧にはじけている、

 はじけている調子のなかにひそみあわいであくびをすること、、

 あくびをすることによる流れ、

 もう外に出ている、

 そっと緊張した調子のなかにひとり住んでいる、、

 私が誘うようで、

 ひとりが誘うようで、、

 ひとりとしてあるということにいずれかの色味を加える、

 そんな場合になお日に照っていること、

 きこえているのと、

 道と、道と、憂いと、

 表には出ない歓喜、快哉、跳躍、

 それからはただの人、

 ただ生活をする人、

 歓喜は表に出なくともよいから、

 ただ内側の呼吸に涙を流す人、

 それから人を見、見、見ない、見ない、見、見、

 見、

 いくつものソクセキを染(シ)みる、

 けしてあのまま時間のなかに増えないけれども、

 遠くの響きを思うことも少ないけれども、

 関係を外れたところに、

 想定の外に、

 ひとり粒があって、ひらけて、憂いと、道で、道で、静かで、よろこびを持って