<1242>「ひとつの揺れが黙し」

 その奥へ、ひとつのことではいれ、、

 ことが絡まる音をひとつひとつききながら、

 はいったらいいんじゃないか、

 はいったらひとつの音が渦を巻いているのではなかろうか、、

 絡まりながらきいているのではないだろうか、、

 予感が身体をかすめ、、

 また こまかく揺れてくる、、

 またまた、 こまかに揺れてくる、、

 微細なステップをひとりのなかに入れておこう、、

 ひとりのなかに入れてゆけばまた踊る、、

 あのあたらしい身体に、

 ひとつゆるやかな風が入り、、

 心地も良くなってくる、、

 それだから、、入れ、、

 幾方へ、幾方へ、、身体のなかで混ぜる音させろ、、

 

 あの新たな身体に小さな揺れが入る、、

 コングラッツな揺れが、、

 意図せずにどんどんと入り、

 あのひろくどこまでもひろがりを見せていくようでもある、、

 静かな震動よ、

 わたしのなかで静かに震えている嬉しいものたちを、

 じっと見詰めている、、

 これはただの試みに違いないだろうけれど、、

 とかく真っすぐにのびたり、適当なところで折れ曲がったりしている、、

 かんたんなそぶりを身に着けてどこまでも奥へ、そのさらに奥へ入ってゆく、、

 そんなところでただわたしの知らない音が鳴っている、、

 これはどこにあるのでもない、

 これはどこに染みついているのでもないが、、

 ひとつの単純な動きを頼りに底へ、底のほうへゆっくりと流れていくんだ、

 震動かな、

 とらえてはなさない匂いをさせて、、

 これはただ小さいというそのことでひとつの匂いをはなっている、

  それはたれにからまる、

 

 一番長い時間を見つけていたが、そのなかにぐっと身を沈めていくところ、、

 ひとつのかんぜおんみたくやわらかな表情で、

 そのなかにぐいと沈んでゆくひと、、

 ひとが香りを立てている、、

 いつとも知れずその香に誘われるようにして流れてゆくもの、

 かおり、

 長い言葉、

 長いこと響き続けている言葉、、

 それにそのままの姿で誘われているひとりの姿、、

 長いこと見詰めているもの、、

 中へ、中へ、ぱあっと散るもの、、

 その表情はあくまで寡黙であった、、

 寡黙を守ろうとしていたのではない、、

 ただそうなるようにしか思われないから、そうなっていたのだ。

 道行きにたいする姿勢、、

 ひとつの笑み、、 もくした、