<1715>「呼吸が一枚の層を増やし」

 方向のはげしさに打たれている、、

 私は、いま、弛緩する、

 極度に静かになった状態で、

 この場へ転がり込むのだった、

 そのそれぞれを、見ているんだ、、

 私は垂れてきた、、

 ものすごい呼吸のなかから、、

 当たり前に垂れてきた、

 心はここになく、踊っている、、

 あちら、こちらと動き、私は、方面の、

 なかざまにいる、

 

 呼べば、呼ぶとして、

 そのなかに、身体を合わしてくる、

 なにだ、この平然、

 なにだ、この当たり前の呼吸の、姿、、

 姿はここで、常に揺れながら、

 ここを過ごしている人が見えているのです、、

 どこにいるか分からない、

 あたしは何故ここで上手く立てているのか分からない、

 生まれたばかりの人ではないということを、瞬間毎に感じます、、

 何もないという発話が偽りにもならず、また発する能力さえおぼつかないところから、

 随分遠くまで来てしまった、、

 あたしの身体は随分時間を含んできていた、、

 そうすると、層の重なり、無限、、

 当たり前に、この場へ当たりながらで、、

 おい、おい、、そこ、

 なんだかどうしようもない層の、

 いくつにも居て、

 あの、脱線している表情の、、

 ふさわしい姿、

 ものにいまに気がついている姿を、、

 持ってくる、形、、

 あたしはそこに継がれて、、

 

 呼吸のひとつ、ひとつが、

 薄い膜を、新たに作っていくもので、

 あたしはそのさわぎのなかに、

 はっきりと居る訳ですから、、

 当たり前に垂れて進め、

 その姿勢、その姿勢が、

 感情の方面を、、

 当然に、育てていく訳なんですけれども、、

 は、それは何か、、

 それは呼吸をたずねるものの何か、、

 通り、

 当たり前に景色を、渡していきながら、、

 そこで生きるのでしょう、、

 伝え、伝え、、

 どれかに、当たりをつけて、ほれ、、

 かんかんからかん、からかん、、

 私は層の中で響く、

 振動は、どこにでも行く、、

 ああ振れ、この晴れ間のなかにとけて・・・、

<1714>「土台の上で踊れ」

 あたしはその速度までも含み、

 大層な様子で、

 出てくる、出てくるのを見かけた、、

 声を一層倍、遠くに、なしていた、

 響く、

 誰がいるのかも分からないところで試しに声を放り始めていた、

 なにだ、なにだ、、

 揺れている、

 案内に違いがないもの、

 どこか奥の方まで、続き、

 身体を合わせて、

 響く、

 何が続き始めているのかも知られていないまま、、

 私は、層を重ねていた、

 

 あたしはその速度のなかで眠るごとに、

 身体が、変わっていくのを感じ、、

 そこから、

 ほうけさわぎの好き放題に流れていくのを、感じた、、

 つまりは人が、

 人であることに、かえっていた、、

 私はいくらでもここから生まれる、

 私はいくらでもここから同じ町の気分を含んでいくぞ、

 と、

 長い時間思っていた、

 長い時間にかわされながら、

 好き放題のことを思う、

 瞬間の、

 通路のあけかたに、

 まっすぐに立っている私、

 立ち方から勉強する人、、

 骨組には何度も立ち返るものなのだ、、

 私には足腰があるだろうか、、

 繰り返す、繰り返す、

 土台に取り掛かる人の汗、それと無言、、

 

 さ、今日は終わり、

 で土台から離れ、、

 明日はまた土台、その次の日もまた、、

 あなたが年中触って取り掛かっているものは、

 使わなくなる日というのは来ないんですよ、

 それが礎というものなんです、、

 直接何度も触れるし、

 触れない日もその上で踊るんです、

 ははあ、そういうものなんですね、、

 そういうものです、

 私も、そういえば、基本とか基礎の練習というのは嫌いではないですね、

 なんというかこう、一日はちょぼちょぼ、

 しかし一日は無限、

 たったこれだけの、何のドラマもなく、感興も起こさないようなものが、

 遥々向こうまで続いていて、

 意識する訳でもないのにここまで遂に来てしまっていたか、

 という、進み方、

 が嫌いではないですね、

<1713>「様子の中へ」

 と、聴いたのだ、

 何故かは分からないが、

 そこから、ちょうど、等しく生きているだけのところへ、

 潜り、

 何か、当たる、、

 めまぐるしい交替のなかに、

 ひとり、日を用意して、

 そのなかに沈潜していくのだった、、

 

 あ、なに、僅かな当たり、

 日も、また遠いところ、、

 そんなに振れて、また見えないところで鳴り出す、、

 鳴っていたら、僅かに、、

 僅かにしか見えないもの、

 あたしが形を与えていこうとするものはなにだ、

 存在は失われて、

 回転は内へ下がる、、

 あ、ここはひとりで歩いているものの姿に、だんだんに、寄って来る、、

 生きていると、静かにここへ寄ってくる、、

 寄ってきて、そのなかで上手く息を吐いた、、

 息を吐いたら、吐いただけ、

 それは私になる、

 繰り返しここの場所が触れて来るのは、

 知らないところのために、

 身体はいくつまでもあり、

 いくつまでも吐くだけの力がある、

 そこから、様子を見、、

 いまやまた私に、

 帰って回転するだけの様相が、

 残されて来るというのだ、、

 それで、なにだ、エネルギーが、

 回転して、

 渡って、もう、存在に、染みていくのがお分かりか、

 

 あれまた、

 なんという声を掛けた通りだったか、

 ここは、どうしてか、揺れようとする、、

 私は肌を合わせた、

 そのなかで眠った、、

 眠ったまま、生きていると、少し、

 外面から、風に入って、、

 それから、何という考えもなく、

 ひとつは歩行、

 ひとつは息を吐き、、

 突然空気に触れて生まれ始めた人の気持ちをまだ持っているのかしら、、

 いや、現在地点しかほとんど持たないと思えるもの、

 零の人は、

 まだ見ることを知らない人は、、

 おそらく、全部が肌だろうと思う、

 全部が肌で、

 びりびりと振動しているだけだろうと思う、

 その響き合い方は、、

 私に繋がって、

 歩いていく力は全てそこから漏れ出してきているのかもしらない、

<1712>「思い出す材料」

 まったく一息のなかに生きてきて、

 またはじめる、

 エンジンをここにかけて、少しあたためる、、

 なにだ、なんという、、

 身体がついているということの涼しさ

 涼しさに全て含まれて、、

 また私は流れて、歩いている、、

 それぞれのなかに育ちながら、

 それぞれの香を含んで、、

 

 私が通常記憶として思い浮かべているものは目で見たものに限られているのではないか、

 と昨日偶然、予想もしなかったところで、匂いを嗅ぎ、それがある一連の出来事の場所と同じ匂いだったから、思った、、

 そして匂いがしなくなると、もう、、

 その香りにまつわる記憶はどこか奥に入ってしまって、出てこない、、

 

 ちょうど、この同じような陽の、入りだったと思い、、

 そこへすぐさまに戻る、

 ああ、ここだと思い、

 あれ、こんなところへは、初めて来た、と思う、、

 時々、場所と、他の場所がくっついて、

 夢かな、

 夢の中のような、記憶の辿り方だ、

 記憶を辿るというのは夢の中を辿ることなのだろうか、

 同じではあるまいか、

 いや、まったく同じではあるまい、、

 

 電車の中で、

 それもまた偶然、学生時代の、歳が2つほどは離れた先輩を見つけた、、

 会って話す訳でもない、

 よく憶えていないだろうから、、

 私もよくは憶えていないことが、多いような気がするから、

 見知った後、

 何か、関係が深まる契機も必然性もなく、

 ただ見知っているという形だけが残り、

 あとはおぼろになってしまう関係性というのは、なんとも、 

 あ、何々さんだ、、

 という発話が、全て、

 不思議とも、困惑ともつかない、、

 そのような場で、ひとりの記憶が踊る、、

 

 それで、この前、何々さんにあったんだよ、

 と話しかけても、

 ふん? へ?

 と相手はピンと来ない様子で、

 それもそうだ、私は勘違いに気がついた、、

 電車で見掛けたのは中学時代の先輩で、

 その話をしている相手は高校時代の同級生だった、、

 曖昧な記憶はこのように、曖昧さゆえに時代を移ってしまう、、

 そんなことはおかしいではないか、

 いや当たり前で、だからお互いに微苦笑をする、、

<1711>「再会と回転」

 どこぞへ放ることになるぞと、

 ひとつの線を持ち、、

 そこへ膨らみながら、入って来る、、

 あきたらぬ声をそこに置いておく、、

 ああ、昨晩の騒ぎはなんであったろ、

 自分の姿に合わせて浮き上がってくるのに、

 何度も目を向け、、

 それこそ、そのままにのめっていったのだったが、、

 見たか、

 ああ、はっきり見た、、

 私はそれをむさぼらないと済まない、

 という気持ちのなかに入って来ていた、、

 

 そこで時折はしゃぐ人の声が、

 勢いの知れない興奮が、、 

 あとからあとから、渦を巻いて、出てくるようだ、、

 この身もそこに垂れて、

 おなじさわぎに、参加する、、

 身体も身体とて、激しく鳴ろうか、

 いんや、小さい海のなかへ、静かに帰って行くのを、

 まったくの無音で、眺めていようかな、という、、

 態度をここの方向へ、

 ひたすらに鳴る、ひたすらに騒ぐ、、

 そこから先々まで波を合わせて、

 そんな顔すぐ、

 そんな顔合わせて、、

 ひとりで波の泡の上に出てきた、、

 ひたすらにまた生まれていた、

 生まれたらここから、どこに分かれ、、

 どこを指して行くのだろうか、、

 分からない、揺れている、、

 かたまりは、すっと静まり返っている、、

 静まり返ったままで、しかし、、

 

 身体のなかの、振れのひとつが、

 そう遠くない過去に当たり、

 線がのびたままになっているものを、、

 おそらくあなたはそこで、知っているものと思われる、、

 知っていたものを口に含み、、

 また線が加わる、、

 そこにただあり続けるものにも、新しい音は鳴るのです、

 希望的だ、悲観的だなどということは、

 少なくも私の身体には当たらないように思われた、、

 どこまでも、揺らいで、出てくる、、

 次々に通路が出来ました、

 次々に出来た通路のなかに潜り、、 

 手を入れて、

 時間が経ち、、

 あなたがそれぞれを見れるようにする、

 あなたは時刻を見ました、、

 あたしは樹木の形をしている、、

 あるだけの空気を模して、、

 あそこで、線がどこまでものびるよう、、

 模して、ぼうとしたのですから、

 いくつも見る、いくつもみる、、

 回転はそこにある、ただ遠慮なく、手で触れられるところに、

<1710>「個人の一室で」

 多量の日を含んで、

 その場に動き、生きているもの、

 を、

 おい、ひとつ、呼んで、ここへ、落としていこうか、

 落としていくものに日を、

 含ませて行こうか、、

 と、言いました、、

 

 私が内部で、

 あとは何も外部環境なのだよ、というところから、

 スタートするのは良い、ただ、、

 それが、それ自体が普遍的経験で、

 内部にいて、あとは全部外だ、と感じている、

 そういう経験しかない、世の中には、そういう経験しか転がっていない、個人としてしか存在し得ないのだから、ということを、上手にイメージすることはなかなかに難しい、、

 皆さん、という呼び掛けは、

 冷たさによって無視されるというより、

 馴染みのなさにより実感のないものとして響く、という方が正確であるのだから、

 そういう、外にあるものは強固で、自分の外にある人々、物々は強固で、

 自分だけ場から外れているという感覚、

 内部が強く感じられるだけにそこから浮き上がっている、おのれだけ、という感覚自体が、ものすごく普遍的なものだということを掴まえることが肝要になる、

 個人が、個人に出会うにはそれを掴まえるよりほかにない、

 つまり、「みんな」や、「他の奴ら」という形で言い表されるものは実体がないということ、どこに行ってもそんな言葉で形容される人には出会うことがないということ、

 具体的な、ひとつの身体にしか出会わないということ、、

 この一室が、全ての「個人の空気」に通じているということ、、

 

 あたしはあくびをした、、

 身体は煙のなかにのびていき、、

 それぞれにはしゃぎのあとを眺め、

 照れる隙間もなく、

 ほどけていること、、

 ほどけたままでその時間に長いこと、居るということ、、

 私は、個人的な煙の記憶を、あなたに語っていた、

 それが、なにもない日のなかに、

 小さな空気を含み、、

 あ、こんな記憶は何もない日のなかに、混じって、、

 小さな空気を含み、

 あなたは、あ、わたしも、話したところで、なにか伝わる訳でもないというものを、持っているはずだ、と思った、、

 でも今は煙だ、

 今は煙になって、それがどこへ流れるか、

 もう、こうして長い時間ぼうやり眺めていることになるぞ、と思ったのだった、、

 静かに笑った、

 静かに笑っている時間は、相手との空間も程良く保たれて、

 静かに笑った、、

 ちょっと、この時間の中に生きているのは、不思議でしかなかった、

 なにだ、この隙間は、煙は、ひとつの流れは・・・、

<1709>「層の中で跳ねて、めくれて」

 あたしがひたすらその騒ぎに乗ってきているものの、

 その興奮に寄って、

 その足を置いて、、

 身体が、集まる、、

 長い時間をあけてここに身体が、集まる、、

 私はこれ以上軽くなることが出来ない、

 というところまで、

 一度は軽くなっていた、、

 

 尋常ではない様子のなかに、

 しばらく生きていたことを思うと、、

 しかしあれらは夢ではないが、

 経過し得るものは経過し得るものである、

 と思うと同時に、、

 この連続する流れは、、

 瞬間々々の危うさを持っている、ということだった、、

 

 その場を離れてどこに来たか、、

 建設する時間へ、

 そのものごとのさきざまへ静かにあらわれてきているのだ、

 どうなれ、どうなれ、、

 私は、呼吸が静かで、

 生きていることも落ち着き、

 まためくれる、層が、、

 顔の中で映る、

 私は跳ねて、、

 跳ねて、

 もう少し遠い時刻、、

 なにか、当たり前すぎるくらい当たり前に、、

 この物事の音を知っている、、

 なんらの感じも起きてこないのにせよ、

 これはなんでもないと結論付けるのは、

 何か違和感がある、、

 

 その日はあいたのだから、まっすぐ、

 まっすぐに、入っていくだけだ、、

 きこえていないものの姿に静かに乗っていますものを、

 そこで受け、そこに感じ、、

 静かに入る、、

 そのまま口をアけて、、

 ふらりと揺れて、

 ふらりと離れ、

 遠い時刻を見せているところへ、、

 入れ、入れ、、

 

 繋がりがつくとは、とんだ驚きの、と思われるものも、

 繋がりがついていて、反対に、、

 どうしたって関係がないものも、

 繋がりをつける力があること、

 は、どの時刻、どの場面でもそうなのだ、、

 見たことのない場所に入った、

 私は、連なっている、

 連なったままのほうけ騒ぎ、、

 そこに染み、

 そこに長い時間転げて、、

 浮かぶ、浮かぶ、、浮かぶ・・・、