間違えられた囚人は、獄舎の中で森を食んだ。長たらしい沈黙の後で、靴音に似た音すら聴き取らない項垂れた拒否を、落胆の跡と見るのは当たらない。 勘違いの窓辺、看守は緩やかに己が捕らえられていくのを感ずる。そろそろと俯いた顔を覗き込み、まるで視線…
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