深と浅、鈍と敏

 かたや、神経質で、ふとしたことで眠りの浅くなる人間。

 かたや、鈍感で、どんなときでもきちりと眠れる人間。

 

 神経質な人、課題をしそびれることなし。いかに眠くとも、睡魔に負けず、最後までやり遂ぐ。またしかし、それは気の小ささ、敏感症の故でもあり。

 鈍感な人、課題をしそびれること多し。やらねばならずとも、睡魔勝つこと多し。またしかし、よく眠れる故、神経をすり減らすこと少なし。

 

 ある人言う、

「神経質な人、鈍感な人に優れり」

と。

 また、ある人言う、

「鈍感な人、神経質な人に優れり」

と。

 

 しかし、長所即ち短所、短所即ち長所なり。どうして、どちらがより優るなどと言うことが出来ようか。