気持ちは良く分かる。そこについての勉強を深めれば深めるほど、専門になればなるほど、
「皆は、どうしたら正しい方向に向かえるのかが、分かっていないんだ。私が導いてあげなくちゃ。その為には多少無理やりにでも・・・ 後で絶対評価してもらえる」
という気持ちに陥るのだ。そういう傲慢さが顔を覗かせてくるものなのだ。しかも、当人は傲慢に陥っていることに気がつかないままで・・・。
私も、そういった欲、変な使命感みたいなものに囚われることがある。権力を持っている人なら、なおのこと、その欲が強くなることもあろう。
しかし、導けると思っている、
「正しい方向」
なんてものは存在しないのだ。それがどんなに崇高で、正しいように見えていたとしても、それはその当人にとって、それが非常に望ましいということでしかない。
存在しない、決められない、
「正しさ」
などというものに、私は、皆を導くことが出来ると考え出したら危ない。
それに、勿論必要でもあって、なくてはならないものであることを考えても、権力というのは一種の暴力であることに変わりは無い。だから、暴力であるということを良く自覚して、与えるダメージを最小限に留めるという努力をしなければならない。そこを、何の制限もせず、自分の望むままに暴力(権力)を振るっていたら、ブーイングを浴びるのは当然である。