黙り過ぎ・・・か?

 種々諸々のことを気にする割に、人が集まる場面に遭遇したとき、延々と黙っていることは案外平気だったりするところがある。この部分であまりにも鈍感なため、誰も話し始めない気まずさに、あまり気づけていないだけなのかもしれないが、ともかく、そういった場で、黙り過ぎるほどに黙っていようが一向平気でいられる。

 しかし、後になって物理的及び時間的な距離が出来たとき、

「あれ・・・黙るにしてもさすがにあれは黙り過ぎていたのでは・・・?」

と疑問に思うことは辛うじてある。距離が出来ると冷静に捉えなおすことが出来るのか、まあともかく次はもう少し自分から話してみようかとそのときは思う。

 が、次にまたそういった場へ出向くと、またいつものように黙りこくっている。しかもそれで満足している。満足しているなら良いか、いや、少しは困った方が良いのか、まあ無理やりに困るというのは無理な話だ。なかなかどうして、黙ってその場の空気に浸るのは、それだけで心地が良いものなのだ。心地が良いのなら仕方がない。