処分に困った末の贈り物

 予め、

「この人に是非贈りたい」

と思ってくれていたのならともかく、所有者が明らかに処分に困った末に、押しつけるようにして何かをこちらへ渡してくるというようなことが近頃立て続けに起こったのだが、こういった、

「処分に困った末の贈り物」

ほど厄介なものも無い。

 第一、所有者が処分に困っているものなんて、大抵こちらも渡されたところで処理に困るものなのだ。それを、体良く贈り物という形にコーティングしてしまうことによって、受け取る側に拒否を発動させにくくすることほど悪いことはない(「せっかくあげると言っているのに、受け取らないとは何事だ」という暴力は許容しがたい)。

 私は、善意(この場合は「贈り物」というコーティング)を笠に着た暴力は嫌いである。処分に困ったものについては、

「欲しかったでしょ? ね? もらってよー」

という形で押し付けるのではなく、

「処分に困っています。欲しい人は私に言ってください」

というポーズを取って、所有者が受け身になる必要があると思っている。誰も貰い手がなかったら、所有者が責任を持って(人に押し付けないで)処分すべきである。