穴 (2)

 不自然な暗さかもしれなかった。眼の玉を失い、真暗が後頭部の辺りまで通過している感覚。意識も雑念も、存在を根こそぎ奪われ、位置という位置を失った。

 意識は、光なのではないか。場所の知覚。それがなければ、意識はないのでは・・・。より確かなはずの、肉体感覚すら定かではない。

 過剰な白い光が、どこからともなく突然復活した、ような・・・。連続したとは思えない流れ。断絶した地点。どこを探しても、そんな暗さは一向に見つからなかった。横たわるそばに・・・。