スイッチを落として

 頭の中で、何か自分の助けとなるようにする作業、構築を放棄したときのむなしさ。しかしまた、なんやかやとあれこれ構築してみることも、同様にむなしいのである。

 「遊び」も「ただ在る」も言葉だ。徒なことはやめよう。構築から離れていこう。しかしそこに何もなくなると、「何もない」とか、「混沌とした」とかいう名前を付けて、また何かを出現させようというリズムが働く。

 何も出来上がらない地点に留まりたい(「何も出来上がらない地点」という言葉を必要としないような)。しばらく、言葉を知らないフリをして外界に接してみるとき、いかにその演技に無理があるかを痛感して落ち込んでしまう。捉えたいという気持ちから離れがたい。

 その真暗闇。夜のではなく、いきなり照明を落とされた閉鎖空間のような、不可解な暗さ。そういうものに耐えうるように出来ているか。全ての言葉が吹き飛んだ場所。