<59>「只」

 どうか、甘い考えを持っていて。甘い考えを叩きたいと思っている人が大勢いてくれるから、甘い考えを持っているくらいで丁度良い。それに、甘い考えを無くすと、活発に動けなくなるから。硬直化するんだね。

 それはそれは厳しい考え、シビアな考えを持っていて。あなたの動きが、どこまでも深いところと繋がっていくように。否定的な考えとか、断罪的な考えとはまた違う(それは萎えるだけだ)、厳しい考えを持って、ひっかかりから身をよじらないで、とどまって。

 一遍に、ぐるぐると回した考えなど、いや、徐々にでも良いが、捨ててしまおう。せっかく動いているのだった、それは停止だよ。私は何も考えていなかったなどと考えてみることも、今はやめてみよう。

 何をやっているんだ俺は、それは意識だった。やる気があってもなくても同じ。冷めている? ぼっぼと身を燃やさないと進めないのは危険だ。あーあと思っていても、よっしゃと思っていても。鈍重な思考でも何とかなり(何だか厄介ではあるが)、鋭敏に立ち働いているからといって、上手く行くとも限らない、そういう状態を傍から見ていられる、振り回されはするが。設計図だとか、青写真があった方が、幾らか進みやすいのか知らん? 気持ちが萎えてしまうのも確かだわ、わざわざ。