<113>「なじむ、なじまない」

 人が生活する様を想像しようとする、人が動いて、何を食べ、そして語り・・・。何も分からない、情報がないのか、いや、生活は想像させない、そんなことがあるか、私の想像力が足りないだけではないか。そのまま生活に流れ込んで、自明の理以前の次元であったことに驚きもしない、思うに分からない、理解の場ではないのだろう、その空間に入ればしっかり馴染めて、いつもそこにいたような顔をして、私が主人とまでは言わないが、お暇すればまたさっぱり、どうにも分からない。生活がこうであってもいいし、また別に全然変わってしまってもいい、いつもそうだったような顔をする、いつもこれが続くような顔をして、やめるなんて全く思わないで。