<351>「死んで準備する」

 死んでいたと思いましたが、良かったですねえ。はい、生きていたと言いましょうか、生き返ったと言いましょうか、どうなんでしょうか。いやあ、大変嬉しいですよ、あなたはてっきり死んだとばかり思っていました。えっへへ、まあ・・・。しかし、死んだと見せかけていたと言っていいのか、いろいろなことを準備なさっていたのですねえ、作戦という部分もあったのですか? いやあ、何かを準備していたのは確かにせよ、それは準備の為の準備と言いますか、どこかに完成した状態を見ていたり、作戦だったりという感覚はないんですね。はあはあ、死んでいるような状態も・・・。意図して向かうという訳ではなく、仕方なく巻き込まれたと言いますか、そういう流れが出来ると、どうもそこからは逃れられないみたいでして、実際、ほくそ笑みながらその中で過ごしていたというよりは、死んだような状態の中にいてそのまま当たり前に死んでしまうこともあるのだなあという感覚を抱きながら存在していたような・・・。はあはあ、戻ってきてからの、あれら様々の結果は、死んだようなときにいろいろ準備されていたからだというのは・・・。まあ、結果論的と言いましょうか、いつ死ぬかということと何かを準備するというのは関係ないとすら思い始めていまして、それだから私がやっているのは準備の為の準備だと思っているのです。