<428>「ひのほだま」

 そのままでは原動力にならず、ただ爆発していただろうことが分かるから、人間の一員で良かったと思う。とっくに終わっていてもおかしくはなかった、あんな危ない行き方をしたのでは。

 一度静かへ戻ることが必要で、その必要性が、変化のスピードを獲得し、それがあまりにも速いと、ともかく豹変と呼ばれるのだが、それが驚きをもって迎えられる必要はないだろうと、表情ひとつ変えずに言えたらいいのである。また、その必要すらも感じないで、黙しているとその紙一重が胸に迫って来て、とくに悲しくもないがここで泣いてしまったらいいのだと言っている。それは分かるが、わざわざここでなくてもいいとするのは、一体何の判断なんだ。それが一番不可解であると言わざるを得ない。そんなことを考えていると、心の底からというほどでもないが、そろそろと笑えている。

 爆発可能性はどの種類であっても厄介だから、なるたけ斥けるようにしようよ、という理屈は分かる。ともかく不慮の爆発は避けられる。ただ、その話し合いには参加しない(よ)。それは、爆発したいからではないので、ただ、容れられないものになることをおそれているのだ。原動力以外のものになることを、嫌っているのだと思う