<429>「通過するがまま」

 随分と頼りにしているみたいだが、あれは一体誰なんだい? ああ、あれは、通過するがままの人だよ。通過するがまま? そう、全体の中で、順調な運動の部分を担っている、通過するがままの人だ。すると、あなたとは逆? そうだ。現実とも? 逆ではないが、重なりつつ、ズレている。それで、ひっかかること即ち全てではないのかな? ああ、そうらしいね。ならば何故? さあ、よく分からんが、本当に望んでいることって一体なんだろうか。え。夜になったら眠りたい、そうでなくとも、眠いときには眠りたい、というのは、確かな欲求であれど言うなれば本当の望みではないと思うのだが、どうか。私は寝るのが好きだ。そうか、なら仕方ない、私も寝るのは好きだが。あなただって通過したらいい。そりゃ、通過はするさしているさ。通過するがままというのとはまた別の・・・。さあ、どうなんだろうね、どこにもひっかかることなくいけるとして、その技術はあるとして、果たしてそういけるものだろうか。