<436>「平等というのは」

 平等というのは、立派かあるいはそうでないかということを、呼吸が問うていないことを言う。お前は疲れたかそうかお前は疲れたか。そこで休んでいろ。もっとも、休めばまた休んだだけ疲れるのだがな、平等はそう言っている。

 平等というのは、結論を定めても、うんともすんとも根本からは応答がないことを言う。自分で答えを決められるんだしかしそれは答えなどと呼べるものではなく、それ相応の力を持った惑いだと言った方がまだ正確だった。肯定が投げかけられても、否定が投げかけられても、全力にも怠惰にも、あろうことか遊びや善や悪にも、何の回答も出さないのだ。平等が出した景色はこういうもので、権利を同じように主張出来るなどということは、ああそうか考えてもみなかったよ、と、平等が言っていたら怖ろしいものか、怖ろしいものだろうか。

 何の為にこれだけのものを用意して、見せているのだと思う? これだけの量に対して、この程度のことしか把握できない、それ故、狭い範囲で何かを創り上げるしかなくなったことを言っているのだろうか。平等の持つ範囲は広すぎる。それを、全体を掴むには、何がしかのものだという解釈を全て捨てねばならなくなる。もちろん、私が何かを思う、という、気まぐれな動作ひとつをも・・・。