<468>「朝の暗さ」

 毎日変わらずのその照明が、その動きの数だけ人の不信を集めるのだったら、私は、ホウっとしてそのまま見ていることにしよう。幸い、私の方であなたの方で、見慣れた暗さを相手にしようというつもりはなかったようで、そこで安心しているのなら、そのままこちらにおいで、と、言いたい気がした。

 そのまま、暖かさには、なれないかもしれませんが、そこから歩いて帰る分だけでも、全体的に、緩やかに、柔らかく、瞳の存在を、曖昧にぼかすことだけはしてみようと思い、また、思えば出来ることなのでした・・・。

 冗談なら、こんなに明るく、ここまで幅広い必要もないかもしれないのだが、それでは、やがて、朝一番の暗さのなかに何をか見出し、捨てて、トボトボ歩いていくことがなおも許されるのだとしたらば、透明な声を、全身に確かめてみてもいいのだろう。もはや、回転の意味を告げるための鳴き声だとは受け取らない。準備も、運動も皆、ひとつの場所に収まっている・・・。