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 ひどく静かな雨だった。それを、確かに聞いているから、まだまだ思い出し、思い出さなくてはならないもので埋めている。君には、丁寧な訪問が必要なんだ。何故だか、そこで答えることはない。不可思議を思いのままに変更し、なんとなく見つめている。君を見、人を避け、ただこのままでは溢れるものばかりでいっぱいになるだろう。

「なだらかな道を・・・機嫌の良い、健康な道を・・・」

ひとつだけ嘆きまた回転するものから順に表情を緩めていくことで、この歩み方を知るのだが、そうか・・・。

「そうか、前から知っていたことはこれだったのか・・・」

夢でないことだけは確かな明るさ、それから執拗な暗さのなかで、何を惜しんだらいいのだろう。捉えきれないものたちを前にして、時折笑うしかないのだろう? これは、声の聞こえ方は、これからこのままでいいものかどうか。

「判断を・・・私にいつかは判断を・・・」

惑いとそれからに、似合ったものを用意しろとは決して言わない。それはただの覚悟で、優しさだったのかもしれない・・・。