<596>「肢体した緊張をほどいて」

 綻びる、いやいや、束の間の休み。試みる、あはあは、膨大な一歩、また一歩。当ててみる、なかなか、難しい展開とその順番に。まろび出る、どうやら、緊張しいしい用意がなされるそこの場所。溶けてみる、まだまだ、優しさの、あなたの傾きが必要だから。

 私が正確に動くためではなく、正確に動くにはそうしなければならないという錯覚のために集まって、それは知識と、合図と、自由時間とによってほどけてゆく。緊張の面持ちは、ここで、誰にとっても柔らかく、適当に投げて、転んで、一度でもいいからと揺れ始めていく。ここで見る人の、ひとつの傾向というものを掴み、笑い、弾き、またの再会を約束した場面に頻りに光が当たっている。誰が中心なのか、どこが中心なのか。その目で確かめられるほどの固まりはドロドロと流れ出ていってしまった。