<597>「空白へ吹く」

 ここには空白があった。しかし怒ってはいなかった。ここには計画もあった。しかしひたすら呼ばれていたのだ。ここには長いこと待たされる人があった。しかしこうした。

 おおい、おい。おおい、おい。私は、怒らなかったじゃないか(それが重要だ)。私は、何も注文しなかったじゃないか(それが問題だ)。私は、一度とて訪ねたがらなかったじゃないか(それで・・・それで充分なのだ)。

 ひとと、おり寄せよ。ぞく、ぞく考える。ところ変わってまた語り出し合い始まりから終わりまで、まざ、まざ、まざ。混ぜ合わせ再び感情とを用意しろ。確実な姿を掴むとき。笑って、やわらかさとまた折り合うとき。ひき続き、お前の惑いを示すとき。

 ところがちょっと窓にはカラカラと軽やかな笑みが当たっていた。