<607>「水のお手本」

 身体、角度、脅かされて適度だ。どのように襲うとも、静かで、ゆったりで、発言の隙間があれば良い。徐々に徐々に、その主張が影薄く、寝ているうちの出来事でもこれが一番さ、という目覚めを求めていたらあなたがそこに居た。お手本となれよその水の流れ。場を劇的に変えるのじゃなく、回転した先の空気がこのままの気持ち良さであるように。

 誰が祈る? 湧き立たせてどことどこ、このままどんどんと増えていくとは思わない、にしても、これは、この変化は風景と呼べるだろうか。ここは身体、招ばれたものさ。各々ひとつそこから出てゆこう。何を置き去りにするのかは問わぬから。押せ押せ、一度目の眠り。見て見て、心のなかから通りまで。お願いというほどでもないことが、急に視線となったり、抑え難い怒りになったり。なだらかな夢を見て、鈍たい動きのその後のもの。ゆかせまい、バランスを裏切るようなことはしないのだ・・・。