<613>「通路、進行方向」

 低く、低く、最終的に誰もに見つかっていようが、困難だろうが、また相談だろうが、何からかうことなどあるものか。笑うことすら、あるものか。ほとんどの時間歩いているのだと考えて、ほとんどの時間確かにこれは歩いていない。これから間違ったことを言うぞと構えて、適当な単語のひとつやふたつここにまろび込み、大層怖ろしいとそう表情だけで伝えておけ。自分の順番というものが後なら、だいぶん大胆な手さばきを見せるだろう。それで、語っているのかね? いやいや、通せんぼだけ、気に入った頻度でしてみるらしい。あたたかくったっていいのよ。大量に回るつもりがあってこその空気。ウトウトウトしていてささいなことを忘れたが、むろん忘れるつもりでいた。じっくり通してくださいね。通ることが大事なのですから。それを一体誰に渡してゆくのだろ。俺かな、後でかな。