<623>「あなたの新しい音が快晴をつらまえて」

 通り過ぎること、揺れの不在、それらに於いて、この振り向きは不幸だろう。

 カラ、カラ、カラ・・・・・・。

 似ていた。あんまり話すことが似ていた。そうしたら、手という手がここから挙がって、いちどきに視界をなくす、見る気をなくす、みるまにたまたままた静かに抜けていく、思い浮かばない気休めの声。

 ホウ、ホウホウ、ホウ・・・・・・。

 奥はその通り開かれているよ。私に言われないでも開かれていて、そこから喉の深い、深いところで、驚かさしむることの先、延長を待っている。

 明日この頃よりも笑ったら、食べれることが喋れることと、普通程度、おんなじになって、あいだを心配しない時間だけが続く・・・。

 関係して、混ぜていて、関係して・・・・・・。

 これから、ずっと、驚いた。見解も、東西も、返答も、またひきりなし触れるようなぞるよう。

「お前に相応しい、そんな悩みなどはなく・・・」

どうにか、繋いで、これおそろしいが踊らせてくれるのだろ? などと、眺めて、いやまだまだこれでは眺め足りない。分からずやのなかを透き通るには足りない。

 ヨッと、フラフラ、ヨッと・・・・・・。

 ただ、あなたの新しい音だけが快晴をとらえて、打てばいいこともまた、平等に、ひとりだけ。その見送りと、投げかけが、執拗に視界の隅に映って、改まらないだけですよ、と、そこかしこで吹いている・・・。