<644>「魂の外の夜」

 ひそかな隙間から、こちらを窺うもの、魂の外にあり、

「また違ったものと、まるで違ったものと受け取れるようですよ」

と、何の自信も、不安もなく、おとなしく告げている。なんであろうか、おとならしい、この映像以外である、ということが、次から、次から、当たり前に流れてくる。それに対して、何らかの、意見や感想が、あるはずもなく、

「ええと・・・。心地良くなくなりそうになるのはさ・・・」

と。深い深い、覆われたものや、そのほかになられて、あたふたとするなよと、ふといつもの歩み出しが、脳裏に翻る、ひる、がえる。

「もう夜ですよ」

知らない。そんなことは、当たり前の頭脳には知られない。弾けて訳もなし、腕だけは、何もの隠れられなくなり、あらあら、汗、遊びたがりの表情から私を連れていって、何度となく、うたた寝とまた軽々飛び越える不規則な過程、かはは、かはは。