<655>「光る日」

 ない、無し、ただ、これであるため、ここだけは、精気を、気持ちを失っているように見える・・・。この場に判断はそぐわない、はずなのだ。だから、

「わたくしの目は・・・」

あなたに感情を知らない。何訊ねられるとも知られず、交わせず、交渉という役割を、放棄してでもそこに置く、ただに置く、

「あぶらぎった・・・」

・・・光で満載の、目玉の感情や、判断を信じない。そんな、うねりで濡れたまるい輝きを信用しない。

 肩が、ふるえ、さわぎ、息が、ところどころに漏れてくと、あたら掬い上げるものどももなく、日が、ぐるりと巡る、その様がやたらに離れがたい、ほどに静かであると・・・。

 こんなにきらめきが充分で、随分と動物から、外れてしまったと、してもここには、当たり前が必要だった。当たり前と、それを感じるうるおいなどが・・・誰彼にも必要だと、信じさせられていた・・・。