<659>「かたまる窓」

 股のあいだから、顔を出せなかった。苦味はなく、突然現れただけで、何が何やらと順番に身体へ、押し合いへし合いしてくるもの・・・。

「まるで予感していなかったとは思えず、ひととおりやってみないと分からない・・・」

あたまかたまる、またね混ざる。わざわざ届けてくれるものはどれもこれもあたしの態度をざっぶざっぶと揺り回すだけ。そこに、ひとくちの疑問、流され、枠内でのただ若返り。当たり前に思えたものが時間しか探さないので嫌になってしまう。人数にして一体どのくらいへ、回答がかぶさってくるか。

「あたまかたまる、またね混ざる」

人は歩く、すると、何かを言わねばならぬ。人は歩く、とすると・・・。普段通りの力は普段通りのよろめきを、踊りと見かねない。いやむしろ、そこにこそ踊りを見てくれよと興奮していって、うなずきがわざわざ生々しい。当たり前、とともにかたまる窓。