<667>「跳ねて変形する」

 あまりにもまだらなもの。あたま、かたまで投げてふたつ、ふたたび言わないで、とのお願いから顔を上げ、期待ない、期待通り、ふと掴んで離して、こころから可愛げに参加する、としても、あなたの愛想、機械の愛想。今はもう、機械の方こそ愛想良し、愛想がないのが人間で、よく笑顔、つもりの笑顔、つもりつもってひと仏頂、ずらずらっと並んで、よく見ると、足りないの、なんだの、被らなきゃどうということもなく、むちゃくちゃ硬くて皮膚じゃない、からありがたい? そうじゃない? いやままで跳ね、跳ね跳ね跳ね。あらやだ誰だか分からない人の親切が、尋常じゃなくこわいのこわくないの、

「だってあなた愛想があるでしょ」

そう言われて石のように、いや固まる訳にもいかず、小さくトンッ、トンッと響かせて、いまいち静かに帰ってく。ああそうだ、きっといくらか、いくらかの変形が必要だ。