<669>「無碍と渋滞」

 たぐり直そうと出した手、だて、はぐれてく分からず、尋常な訪問と、移ろうお付き合い、

「の間で・・・」

ただ疲れただけだと揺らぐ音、騒ぐ目つき、ほら、ちょうどいい幅の、話はやめよう。

 何のことはない、当然の情報が出たり、入ったりするところへ理解がやってきてしかし、また他のところで、ゆっくりとした疑いが肌を出す。

「確認を・・・」

何かを、確認したのだろうが、あくまでここに立ち止まる仕事はなく、後ろから、来た人の顔も、気持ちまたくもり、

 おや、

 おや、

通すよ、むろん、私も後でゆく。いやに暑がる。だが、いるままの疑いは大変自然な表情をしている(どうせ装いだ)、平気で漂うている(どうせやせ我慢だ)、なあそう言ってくれよ、と、誰がこのたび静かに湧き上がるかの話はせず、無碍、無碍と渋滞。