<697>「私的震え」

 突然穏やかになった、とでも言う。何故大きな気持ちと言わないか、必要がないのでなし、全体が、僅かに、しかしいつまでもいつまでも熱い、と傾けさせるだけの動きを求めている。

  到底私に挟まらないことだけが、ふるえている

 なにやかや、めぐらし、当たり前を静かに言うのに、感覚はいらない、人だけがいる、何故かは分からないが、おかしな動きで問わなければならない、

「あそこで寛がないのは何故か」

と。はてさて、さあ私は人間だから、いやはや、どうもここらが人間の常だから、などと言われれば、もはや、かたまりになってみてのそのそとし出すより仕方あるまい。

「お前も見たろう?」

まだ、からかいのない怒りを。誰彼に見せる、必要がなきゃ朝の空気の中へ浮かんでいる。沢山ある気まぐれの列で、選び取るとなればそのことだ。