<698>「嘘を乗せて廻れ」

 訊き返した表情に、いくつもの開始。分からない方面で、踊りと二人。何故、何故、あらかた集めておいたものだけで、不規則な笑みを。ようこそ、片側の話へ。誰が投げている、最近のくやしさ。誰が受けている、ちょうどよい美しさ。どれもこれ、も徒に確認が遅れていて、かつ動きも、にぶく、鈍く、少しく嬉しい。

 当たり前よ、嘘を乗せて廻れよ。ひどく愉快だから。考えてばかりいるらしいが、おともは誰か、映しているのなら、激しい声を、映していないのなら、激しい喉を、尋常な赤さとともに見せてくれ。冷静で、頼もしい、なかなか増えて、後どのぐらい、ただし、表情に量を見せない、別に、恥じるからではない。動きは、それでおんなじだ、誰彼構わず従えて、急にうなずきが眠たくなるような、私には快晴だという話をくれるのだから、と、ふざけてみたところで、特にあたたまる、底なしのふるえ、よく見たまばたき。