<702>「誰の指だ」

 特別な事、陽気な事、収まらない事で、低うなり低うなり、普通に話す、歌われて、不都合な偶然に丁寧に寝そべっている、はず。そして、よろしげに、誰か案内して(たれかあないして)、どこから、どう見ても、震わせ、なぞ見ても、集まり、かたわらに立たせ、まさかね。

  あとからあとから隠さることとて色がない・・・

 よろしい、しかし、何に対して。あざむき、ひきつり、照れ、はむかい、こわばり、おそれ、などなどに対して、いつも以上に、余計に、意味を捉えて、何度も巡らす。どこから集めればいいのか、どこへまとまっていいのかが分からぬほどに、ひっくり返して、ただぼんやり眺めているだけでじゅんぐりじゅんぐり、挨拶がてらみたいで、全部の照らし、あまねく明滅が、肝心の場面だけに触れる。

  誰の指だ。誰が指だ。ひとつだにさされやしない・・・

 内側よ、共感しろよ。ノーモーションで断って、横向いて、いつ使うのかが分からないことを考えている。あれば何故か触れて失せて替えをここへなどともの言い、ふざけた面ぁが堂々と風に乗っている、何を失くしたかは知らない。