<742>「置かれた名前」

 そばで、人に似合うものだけを乗せて。あら感想とともに通れよ、お前が映るとも知らない明かりで片仮名になりテンションも上がる。傍らにわざとらしく置かれた私の名前、いくらでも呼ぶ、誰かとは知らぬ。

 危なさ、を私の代わりにして、これからだの、関わりごとが当然、当然とうなずきながら垂れてくる。垂れてくれるので、うれしい、と、不安定、探り探りの状態で、話される。明日には、あなたもまた、大層な話のどこか。

 影にきて、ところで、なんて、ふるえた顔で言っていて、おかしいが、誰も笑わない。誰もまだ笑いのなかにいない。いるものと言えば、突然帰る人々、帰るかどうか問いもしない人、ゆるやかになったかたまり、二つの景色、延々と続く広い広い音。