<768>「瞬間的なこぼれに」

 それから、上を見る。わずかばかり私のそばまでこぼれて来て、軽く拾い上げると、静かに噛む。かたい、何故か名前が流れてくる。ひどく呼んだ。それで、この場から出てきた。よく似合う。それから隣に並んだ。どうしてもからかわれる必要があった。ひどく笑う。行方だけ、ひとりに知らされる。すると掴む。わざと両手で掴む。あなたには考えに違いないものが増えていた。それで、突然見た。突然見るよりしょうがないのよ。準備が足りていた。それから、私は飛んだ。他に方法は知らなかった。返した。時々話して、別れた。あなたのいる場所はどこでも良かった。ただ、場所を悔やんでいた。もうそこは私たちの場所ではないのを、ただ悔やんでいた。そばに空があった。わざとひらいていた。音と、余計な装飾はなかった。慣れた。言葉と、偶然に慣れていた。だが、いつにない。いつにない身振りが誰かの突然を呼んでいる。嬉しい。震えていることと、わざと。あれはまだ、かなりを数えている。徒に増えておくだけで、今は見ない。歩いた。そして時々、よそを向いている。