<798>「結わいた声のおそろしさ」

 あなたの慎重な手

 あなたの慎重な手は、土をカく。

  あなたただこぼしてください・・・。

 勢いと、ただで割れる 割れるしか能のない・・・。

 恥ずかしい裸体は海辺に上がる。

 恥ずかしい裸体は海に打ちつけられている。

 声が出ない 言葉は声を裏切る

 ああ怖い 私は怖さの味方 

 舌があと、もう少し小さければ・・・。隙間がない。途端の音楽に隙間がない。

 約束がある 期待の目を食べている。身体がゆくところまでゆく ひどく捩れる。

  段階的 段階的

 ふと、力ない呼吸に、肌を合わせる。夕べつぶらない ところどころで 滑る。

 かつぐ。よって、またかつぐ。腕のつくり。結わいた声。悲しげ 一度きり わめき 間際に耳元で散る・・・ 小さなわめき

 容赦なし 寝転ぶと 私、私の群れは耳元で割れる 割れるしか能のない・・・